本の紹介「自分なりの生き方を教えてくれる二冊」
自分なりの生き方というものに憧れがある。最近そういった生き方の面白さに改めて気づかせてくれた本が二冊ある。「オリジナルに生きることの面白さ」というのがこの二冊の本のテーマであると僕は勝手に思っている。
さて、前者の本においては、人がオリジナルな存在たりうるのはどういった時か、ということについて事細かに論じられている。
印象深いのは、誰もいない道の先に大金が落ちているのを発見した時に人がものすごい「ばくばく」感を感じるが、これこそ人が生きている実感を肌身に感じている状態なのだ、という謎の指摘だった。
僕はこの内田樹先生の比喩がとても印象に残り、こうした体験をしたくてたまらなくなった。自分一人が何かに気づいている状況って、確かにすごく甘美なものだ。
この体験を聞いて即座に思い浮かべたのは、大数学者のガウスのことだった。彼は天才の中でも相当な変態で、自分の発見を秘密裡にすることで有名な学者である。現在では歴史上最大の数学者に数えられる。
「楽しみ」というものは本来誰かに見せびらかすものではない、という主張は「『やりがいのある仕事』という幻想」(森博嗣著)の方でも展開されていて、微妙にかぶる内容ではある。
両先生が主張しようとしているのは、「オリジナルに生きるのってすごくワクワクするぜ」、「他人の価値観に振り回される人生虚しくね?」ということなのだが、どちらの先生もその論じ方は非常に個性的だ。
内田先生の本に出てくる印象的な文をもう一つ紹介する。「先生というのは、『みんなと同じになりたい人間』の前には決して姿を現さないからです。」
どうだろうか? なんとなくこの二冊のワクワク感が伝わり始めただろうか?
我々が生きている意味に気づかせてくれる二冊だと思う。人生に疲れ果てた人、何か人生に物足りなさを感じている人、そしてもちろんこれから自分の生き方に何らかのスパイスを加えようとしている方にオススメである。