ヒロカズの読書日記

このブログは、読書したことから、考えたことを書いていくブログです

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

継続と一人の小説家(村上春樹著「職業としての小説家」感想文)

何かを継続するにあたって、淡々と、というのは非常に重要なことなんだなあ、と思う。 特別なことはしなくていい。きちんとやるべきことをこなしていけばいいのだ。 そんな感慨を抱く時、僕は村上春樹さんの「職業としての小説家」という本を思い出す。 この…

小さな脳という観点

友人から聞いたのだが、人間の脳というのは意外に小さいらしい。定かなことはわからないのだが、友人の話では「両手を握りしめてくっつけたぐらいの大きさ」だということである。普段自分が考えたり感じたり、といった自分の世界がこの大きさの中に入ってい…

内田樹著「先生はえらい」を紹介する

最初に断っておきたいのだが、この本はえらい先生がいる、という本ではない。それにもかかわらず、先生はえらい、ということを主張する本である。何を言っているのかすぐにはわからない。まるで禅問答のようである。 結果的に「誰でも先生になれる」という話…

子供とSNSについて

僕はペットは寂しがりな人のものだと思っている節がある。寂しがり、と言っても、単に一人でいるのが耐えられない、とかそういうことを言っているのではなくて、人との一つの接点としてペットを飼っている人が結構いるのではないか、とそんなことを思うのだ…

お散歩効果の偉大さについて

新しいことを始めるのには不安が伴う。 結果を残したいという気持ちが焦りに変わってしまってはうまく仕事がはかどらない。 この状態を抜け出すのに一番いい方法はリラックスできる時間を持つことだ。 僕の場合はとにかく歩く、という方法を採用している。 …

夜空の下で考えたこと

弁当屋に行った帰り道、夜の道を歩きながら色々なことを考えた。 いつもなら弁当を食いながら、ビールでも飲みたいな、と思うところ、最近は、酔って過ごす時間よりも、机に向かう時間を優先したい、と思っていること。 自分の将来のこと。誰か気の合う人を…

自作小説「本屋」

本屋をぶらぶらするのをやめた。 本屋には何冊もの新刊が積まれている。 こうした本の中からお気に入りの一冊を見つけるのは至難の技だ。 どうして我々はこうした魅惑から逃れられようか。 ある日一冊の書物が我々の人生を変えてしまうかもしれない。 そして…

大人であることについて

大人であることはどういうことなのか。それは子供であるということである。 子供でない大人は存在しない。というか、「まだ自分は子供だ」と言い得る人間のことを、「大人」というのである。 大人にとって、最もほっとする瞬間が、「まだ自分は子供なのだ」…

清潔な生活(村上春樹著「村上朝日堂」)感想文

清潔な生活(村上春樹著「村上朝日堂」)を読んだ。このエッセイには人としての生活の頼りなさが爽やかな筆致で描かれており、読むものの心になんとも言えない切なさを残す。人間はどんどん変わっていく。それは年を取る以上仕方のないことだ。 村上さんの学…

大人であることの子供っぽさについて(村田沙耶香著『「年齢にあったいいもの」の謎』を読んで)

一言で言うと「ブランドものつけるような歳になっちゃったんだよな〜。参ったな〜」という内容のエッセイ。しかし、そこには当然のことながら、「大人であるとはどういうことか」という哲学的なテーマが見え隠れしている。それが村田沙耶香さんのエッセイの…

「チップはむずかしい」(村上春樹著「村上ラジオ3」より)感想文

わからないことがありのままに記述されているのが村上春樹のエッセイの魅力の一つだ。 わからないということがどういうことなのか村上さんに学んでみよう。 (注:このエッセイは海外でチップを払う時の金額の決め方、つまり「チップ問題」について書かれた…